2018年1月から「つみたてNISA」がスタートしました!^^
金融庁や証券会社がとても宣伝しているので、これをきっかけに資産運用を始める人も増えのではないかと思います。
今回は、金融庁が「つみたてNISA」を推し進める背景について、証券会社で働いた経験をもとにお話しします。
つみたてNISAスタート!
つみたてNISAとは
まずはじめに、つみたてNISAとは2018年1月に始まった少額投資非課税制度のことです。
つみたてNISA口座を利用して投資信託を積み立てした場合、毎年40万円までの新規購入分を対象に、売却時の値上がり益(譲渡益)と配当金(普通分配金)が非課税になります。
仕組みはこれまでのNISAと同様ですが、「非課税となる投資信託の対象商品が全部で130本程度、非課税投資枠が年間40万円まで、非課税期間が20年間」など条件が少し異なります。
対象商品は金融庁が厳選したファンドのみで、金融庁HPで確認したところ、インデックスファンドが119本、アクティブファンドは15本となっていました。(2018年1月11日時点)
投資信託は、国内だけで約6000本あるといわれていますが、つみたてNISAに選ばれたファンドはわずか134本です。
かなり厳選されていますね^^
つみたてNISAの詳細についてはこちら
対象商品の最新の状況はこちら(金融庁HP)
つみたてNISA開始の背景にある、金融業界の問題点とは?
そもそも、つみたてNISAはなぜ始まったのでしょうか?その背景には、日本の金融業界が抱える問題があります。(証券会社で働いた経験をふまえての個人的見解もあります><)
売買を繰り返し、販売手数料を稼ぐ販売会社
金融業界で営業員たちは、
- 手数料の高い商品を顧客に勧誘し、購入してもらう
- 顧客の商品に利益が出たらすぐに売却を提案し売却
- この売却金をもとに、営業員は再び別の商品を勧誘し購入してもらう
こうした繰り返しが毎日行われていました。これを証券会社では「回転売買」、「乗り換え勧誘」といいます。
証券会社は、販売手数料で主に利益を出しているので、このように短期間で何度も売買してもらうことで、販売手数料の収入を繰り返し得ることができるのです。=営業員はノルマを達成できる!ということです。
また新商品!?投資信託が多すぎる
運用会社は、証券会社と協力して新商品をどんどん作り続けてきました。
具体的には、
①運用会社は、顧客のニーズや相場に合わせて新商品を作ります。
②証券会社の営業員は、顧客が保有している商品に利益が出たら、「新商品が出ました!これはおすすめですよ!こっちに乗り変えましょう!」といって、次々と新商品へ乗り換えさせて手数料を稼いでいたのです。
こうしたことが毎月おこなわれていたので、投資信託の商品はどんどん増えていきました。日本に6000本も投資信託があるのは、このせいです笑 明らかに多すぎます><
投資するのは、お金持ちの高齢者だけ?
証券会社の営業員が勧誘するのは、やはりお金に余裕がある高齢者が中心となります。
営業員にはノルマがあるので仕方がありません。というのも、お客さんに投資信託を100万円買ってもらい3万円の手数料を得たぐらいでは全然ノルマが達成できないのです。
実際、私が営業員だった頃は「1回の取引が最低300万円以上でなければ、話にならない。」と心の中では思っていました><
なので、必然的に勧誘をするのは富裕層の高齢者だけでした。今も証券会社では、とくにその傾向が強いと思います。
最近ではネット証券も普及し、徐々に若者世代も投資する人が増えてきているようです。とはいえ、私の友人には投資している人は誰もいませんし、まだまだ浸透していない印象です。
日本では投資教育が遅れている
日本では義務教育で資産形成の教育が行われていない、という点も問題だと思います。
米国や英国など先進国の中で、日本は圧倒的に投資の知識・経験が乏しく、現預金比率が高い、といわれています。
その結果、投資に詳しくない高齢者は勧誘されたがままに商品を購入するケースもとても多いですし、若者が投資に興味を持つきっかけがない、という状況になっているのだと思います。
つみたてNISAを推進!金融庁の狙いとは?
日本では、投資の知識や経験が乏しく、投資とは一括投資、短期売買、高い手数料、お金持ちの高齢者がするもの、というイメージが根付いています。
この状況が続いてしまうと、日本の資産運用の衰退が加速していきそうで心配ですよね。。。
金融庁は、こうした状況を早急に変えたい!と考えています。
つみたてNISAを幅広い世代、初心者・経験者に促進することで、「長期・積立・分散」投資を推進し、金融機関の販売姿勢の見直しや、顧客の投資マインドの転換を狙っているようです。
ほかにも、金融庁は投資の促進や是正を目指して、さまざまな取り組みをおこなっています。
さきほど話した乗り換え勧誘の規制や、高齢者への勧誘行為の見直しを図っています。また、高い分配金をセールスポイントとするファンドについても問題視しています。
(分配金については、タコ足配当や勧誘の裏事情など色々問題があるので、またどこかでお話ししますね^^)
まとめ
いかがでしたか?
つみたてNISAスタートには、こうした金融業界の裏事情が背景にあります^^
つみたてNISAは、今までの投資のイメージを払拭して宣伝をしているので、投資に興味を持ち始める人も少しずつ増えていくのではないかと思います。
もしかしたら5年後10年後には、金融機関での販売スタイルも変わり、義務教育の中で投資教育もすすめられて、資産運用が当たり前の世の中になっているかもしれませんね^^
つみたてNISAは、これから20年続く制度です。興味がある方は、ぜひ1度勉強してみてくださいね♪