投資方針
「日興グローイング・ベンチャーファンド」は、原則として新規公開後5年以内の中小型成長株に投資するアクティブファンドです。
銘柄選定は、中小型株のスペシャリストである「エンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社」の投資助言を活用します。
文字だけだと分かりづらいですね。目論見書のイメージ図を見てみましょう。
出所:日興アセットマネジメント HP
簡単にいうと、IPO銘柄を中心に投資するファンドです。
市場別の投資比率をみると、東証1部53.8%、マザーズ37.1%、JASDAQ4.9%、東証2部4.2%です。
業種別だと、サービス業48%、情報・通信業26%、精密機器4%となっています。
主な投資先は、「Keeper技研」や「デジタル・インフォメーション・テクノロジ」、「アトラエ」など、57銘柄に投資しており、各銘柄の組入比率は、5%以下です。
投資先は、57銘柄とかなり多めです。
その理由として、中小型株は「市場規模が小さいため、1銘柄をたくさん購入できない。」、「大型株に比べて、価格の変動リスクが高いため、分散投資している。」といった点が挙げられます。
中小型株のスペシャリストである「エンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社」が銘柄を選定します。
エンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社って、あまり聞かないと思いますが、銘柄選定においてわりと優秀な会社です。
同社は、「経営者との個別直接面談」を大切にしており、年間1,000件近くの企業を定期的に訪問し、銘柄選定に役立てています。
同社が投資を助言するファンドは、以下の通りです。
- SBI小型成長株ファンド ジェイクール(愛称:jcool)
- SBI日本小型成長株選抜ファンド(愛称:センバツ)
- SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト(愛称:jnext)
- SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト(年2回決算型)/愛称:jnextⅡ
- SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ(愛称:jrevive)
- SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ(年2回決算型)/愛称:jreviveⅡ
- 日興グローイング・ベンチャーファンド
- 小型株ファンド(愛称:グローイング・アップ)
- 新成長株ファンド(愛称:グローイング・カバーズ)
- 成長応援日本株ファンド(愛称:匠のワザ)
これらのファンドは、一時期パフォーマンスが好調で、人気がありすぎて販売停止になっていました。
当ファンドは、
- SBIアセットマネジメント「SBI小型成長株ファンド ジェイクール(愛称:jcool)」、SBI日本小型成長株選抜ファンド(愛称:センバツ)
- 明治安田アセットマネジメント「小型株ファンド(愛称:グローイング・アップ)」
と同じ運用方針、同じ投資対象です。
基本情報
ファンド名 | 日興グローイング・ベンチャーファンド |
---|---|
運用会社 | 日興アセットマネジメント株式会社 |
分類 | 国内小型グロース |
ベンチマーク | なし |
購入時手数料 | 上限3.0%(税抜) |
信託報酬 | 年率1.9%(税抜) |
信託財産留保額 | 0.3% |
決算日 | 7月17日 |
分配金 | 実績あり |
設定日 | 2003年7月18日 |
信託期間(償還日) | 2023年7月18日まで |
信託財産留保額が0.3%かかります。投資信託を売却する際に、手数料が差し引かれます。信託報酬が年率1.9%(税抜)かかります。
アクティブファンドは、コストが高くなりがちですが、その中でも当ファンドは「コストが高い」分類に入ります。
なぜかというと、当ファンドはエンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社にも「投資助言料」を支払わなければいけないからです。
通常、運用は運用会社だけで行いますが、当ファンドは投資助言会社を活用しているため、その分支払いが増えて、コストが高くなるのです。
分配金は、年に1回出ています。まぁ100円なので良いかなとも思います。
基本的には、分配金が出るファンドは、積立投資など、長期で資産を育てる運用には、あまり向いていません。
信託期間は「2023年7月18日」までです。つまり、この日で投資信託が償還され、運用が終了するという意味です。
なので、信託終了予定日の半年前頃から、運用会社のHP等で「信託期間に関するお知らせ」をよく確認するようにしましょう。
信託期間を延長する場合もありますが、予定通り終了した場合には、自動的に現金化されるので、注意してください。
運用状況
出所:SBI証券 HP (2020年5月1日時点)
2020年は、コロナウィルスの影響を受けて、株式市場は大暴落。。
当ファンドは1年前と比べて、▲20.0%下落。20-30%下がっているファンドが多いので、まぁ仕方がないかなという印象。
当ファンドは、IPO銘柄中心なので、コロナの終息が見えない中では、基準価額が回復するのにはかなり時間がかかりそうな感じがします。
中小型株式の動きは、株式市場や世界経済の動向によって乱高下しやすいです。
株式市場の上昇相場では、当ファンドも短期的に大きな利益を上げられますが、下落相場になると大暴落する可能性もあるので注意してください。
基準価額が半分になる可能性も普通にあります。
中小型株式市場が好調な時には、「当ファンドを追加購入できなくなる」場合があります。
以前、中小型株式市場が好調だった頃、中小型株式に投資する投資信託に資金が集まりすぎたため、「運用に支障が出る&期待する収益を出せなくなる」という懸念から「追加購入の停止」を発表したファンドが数多くありました。
当ファンドにおいても、そうなる可能性があります。
感想
国内株式市場が好調な時には、中小型株は大型株よりも早いスピードで、大きな利益を得られる可能性があります。
とくに、当ファンドはIPO銘柄に投資するので、株式市場が好調な時には爆発的に急上昇する力を秘めています。
しかし、繰り返しになりますが、中小型株は下落し始めると、一瞬で急落する可能性があるので、注意してください。大型株よりも大きく下落する可能性が高いです。
また、株式市場が回復してきたのに、中小型株式市場が回復しないということもよくあります。個別銘柄の影響も受けやすいので、株式市場と連動しないことも多いのです。
(投資初心者は、「なんで、このファンドの基準価額は回復しないんだ!?」と金融機関にクレームの電話をしがちです。)
日ごろから株式市場だけでなく、個別銘柄の動きをよくチェックして、投資判断を見極めてください。
⇒最新のチャート・基本情報等は、こちらからご覧になれます。