投資方針
「成長応援日本株ファンド(愛称:匠のワザ)」は、日本の中小型成長株に投資するアクティブファンドです。
具体的には、日本の上場企業のうち、新たな成長局面に入りつつあると判断される成長企業(新成長銘柄)に投資するファンドです。
銘柄選定は、中小型株のスペシャリストである「エンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社」の投資助言を活用します。
「新成長銘柄って、何?」と思いますよね。目論見書には、以下の通り書いてありました。
「新成長銘柄」とは、高い成長余力を有しているものの、経営上の課題・困難に直面したため本来の実力を発揮できなかった企業の中で、それらの経営障壁を克服しつつある企業を新成長銘柄(再成長銘柄)といいます。
文字だけだと分かりづらいですね。具体的には、以下の図のイメージです。
出所:明治安田アセットマネジメント HP
黄色で塗られた部分が「新成長ステージ」です。
企業が準備期間を経て、新成長ステージへのステップアップが見込める企業、つまり中長期的な株価の上昇が見込める企業に投資する、ということですね。
細かく書きましたが、いわゆる「中小型成長株」に投資するファンドです。
市場別の投資比率をみると、東証1部88.1%、マザーズ2.5%、JASDAQ5.8%です。
業種別は、サービス業29.2%、情報・通信業15.1%、小売業10.0%です。
主な投資先は、「ジャパンマテリアル」や「エムスリー」、「レーザーテック」など、52銘柄に投資しています。
投資先は、52銘柄とかなり多めです。
その理由として、中小型株は「市場規模が小さいため、1銘柄をたくさん購入できない。」、「大型株に比べて、価格の変動リスクが高いため、分散投資している。」といった点が挙げられます。
中小型株のスペシャリストである「エンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社」が銘柄を選定します。
エンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社って、あまり聞かないと思いますが、銘柄選定においてわりと優秀な会社です。
同社は、「経営者との個別直接面談」を大切にしており、年間1000件近くの企業を定期的に訪問し、銘柄選定に役立てています。
同社が投資を助言するファンドは、以下の通りです。
- SBI小型成長株ファンド ジェイクール(愛称:jcool)
- SBI日本小型成長株選抜ファンド(愛称:センバツ)
- SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト(愛称:jnext)
- SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト(年2回決算型)/愛称:jnextⅡ
- SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ(愛称:jrevive)
- SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ(年2回決算型)/愛称:jreviveⅡ
- 日興グローイング・ベンチャーファンド
- 小型株ファンド(愛称:グローイング・アップ)
- 新成長株ファンド(愛称:グローイング・カバーズ)
これらのファンドは、一時期パフォーマンスが好調で、人気がありすぎて販売停止になっていました。
当ファンドは、「新成長株ファンド(愛称:グローイング・カバーズ)」、「SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト(愛称:jnext)」と同じ運用方針、同じ投資対象です。
基本情報
ファンド名 | 成長応援日本株ファンド(愛称:匠のワザ) |
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運用会社 | 明治安田アセットマネジメント |
分類 | 国内小型グロース |
ベンチマーク | なし |
購入時手数料 | 上限3.0%(税抜) |
信託報酬 | 年率1.70%(税抜) |
信託財産留保額 | 0.3% |
決算日 | 4月25日、10月25日 |
分配金 | 実績あり |
設定日 | 2016年5月30日 |
信託期間(償還日) | 2021年4月23日 |
分配金は「実績あり」となっていますが、直近、分配金は出ていません。分配金なしのファンドの方が、積立投資など長期で資産を育てる運用に向いています。
信託財産留保額が0.3%かかります。投資信託を売却する際に、手数料が差し引かれます。信託報酬が年率1.70%(税抜)もかかります。
アクティブファンドは、コストが高くなりがちですが、その中でも当ファンドは「コストが高い」分類に入ります。
なぜかというと、当ファンドはエンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社にも「投資助言料」を支払わなければいけないからです。
通常、運用は運用会社だけで行いますが、当ファンドは投資助言会社を活用しているため、その分支払いが増えて、コストが高くなるのです。
信託期間は「2021年4月23日」までです。つまり、この日で投資信託が償還され、運用が終了するという意味です。
なので、信託終了予定日の半年前頃から、運用会社のHP等で「信託期間に関するお知らせ」をよく確認するようにしましょう。
信託期間を延長する場合もありますが、予定通り終了した場合には、自動的に現金化されるので、注意してください。
運用状況
出所:SBI証券 HP (2020年5月1日時点)
コロナウィルスによる世界経済への打撃を受けて、ここ数か月で、基準価額が大暴落。。
しかし、基準価額は1年でみると0.84%の下落です。ほかのファンドは、20-30%下落しているファンドも多い中、当ファンドの下落幅はかなり小さいです。
というのも、直近1か月で18%も上昇しているんです。コロナが終息の兆しが全く見えないのに、すごいですね。
直近の受賞歴は、以下の通りです。
- R&Iファンド大賞2019「優秀ファンド賞」
中小型株式の動きは、株式市場や世界経済の動向によって乱高下しやすいです。
株式市場の上昇相場では、当ファンドも短期的に大きな利益を上げられますが、下落相場になると大暴落する可能性もあるので注意してください。
基準価額が半分になる可能性も普通にあります。
中小型株式市場が好調な時には、「当ファンドを追加購入できなくなる」場合があります。
以前、中小型株式市場が好調だった頃、中小型株式に投資する投資信託に資金が集まりすぎたため、「運用に支障が出る&期待する収益を出せなくなる」という懸念から「追加購入の停止」を発表したファンドが数多くありました。
当ファンドにおいても、そうなる可能性があります。
感想
国内株式市場が好調な時には、中小型株は大型株よりも早いスピードで、大きな利益を得られる可能性があります。
しかし、繰り返しになりますが、中小型株は下落し始めると、一瞬で急落する可能性があるので、注意してください。大型株よりも大きく下落する可能性が高いです。
また、株式市場が回復してきたのに、中小型株式市場が回復しないということもよくあります。個別銘柄の影響も受けやすいので、株式市場と連動しないことも多いのです。
(投資初心者は、「なんで、このファンドの基準価額は回復しないんだ!?」と金融機関にクレームの電話をしがちです。)
日ごろから株式市場だけでなく、個別銘柄の動きをよくチェックして、投資判断を見極めてください。
⇒最新のチャート・基本情報等は、こちらからご覧になれます。